買取王国は、2002年に1号店を出した時から個店主義。スタッフの個性やアイデアを元に、それぞれが独自の進化を遂げてきました。ここ数年でベースとなるクオリティを維持するための標準化もどんどん進んできましたが、それでも最後は店舗ごとの個性が重要です。僕の場合は、趣味である釣りのマニアックな商品を大阪の店舗で販売しています。とことん個性を追求して絞り込んだ商品を取り扱うと、すごいことが起こるんですよ（笑）。すごいことっていっぱいあって、まず商圏が広がります。通常は車で10分圏内の人口を計算して出店エリアを決めるのですが、僕の釣り具コーナーは西は山口、南は徳島、東は静岡から、毎月お客さんが来店してくださいます。ぜひ手伝わせてほしいと、ものすごい知識を持った人がアルバイトにも来てくれていますし、1坪あたりの利益額はメイン商材である服やホビーよりも高いほど。

以前は、車載の電子部品を開発・製造している会社で働いていました。海外に工場を建設するプロジェクトに携わっていたのですが、社内のベクトルが一致していないという違和感をずっと感じていて。会社のためになることをやっているのに、協力体制が築けない。そうしたズレがいつしかストレスになっていました。理系の大学出身なので知識を活かせる環境ではあったのですが、チーム内にズレがあるとやっぱり楽しくないんですね。そこで、昔から好きだった古着を扱う買取王国に転職することを決意。今はすごく充実しています。最近ここの売り上げが良くないねって誰かが言うと、これが原因じゃないかとか、こんな取り組みをしてみようよとか、すぐにたくさんの意見が出るんです。全員が自発的に動いて、実際に成果も上がる。チーム一丸となって前進できることに、大きなやりがいを感じています。